【最新版】一から説明!自宅でカフェを開業する方法

料理やお菓子作りが得意な人や、コーヒーが趣味の人は、「実益も兼ねて自宅でカフェが出来たらいいのに……」そう思ったことがあるのではないでしょうか。副業が可能な会社が増えた近年、自宅を改装して飲食店経営を始める人が増えてきました。そこで、趣味を副業にするための開業方法や、自宅カフェを開業する利点をお伝えします。

1.自宅カフェの利点

自宅カフェの最大の利点は費用をおさえられるところです。もともと住んでいる自宅なのでテナント費用はかからず、一から改装するよりも費用が安く済みます。また、自宅が職場なので、出勤時間や通勤費も一切かかりません。万が一、店を畳んだ場合はレンタルキッチンやレンタルスペースとして貸し出し、収入を得ることも可能です。

店舗を借りた場合だと、家賃が発生するため売上が少ない時でも毎月一定の金額を支払わなければならないため、自由に休みを取ることも難しいですが、自宅カフェなら自分のペースで営業することができますね。

このように、自宅の一部をカフェに改装する自宅カフェは、金銭面で一番リスクが低い開業方法といえるでしょう。

2.自宅カフェを開業するために確認すべきこと

自宅カフェを開業するための手順は、以下の通りです。

  • 飲食店を開いても良い地域なのか「用途地域」の確認
  • いくら必要か「開業資金」の確認
  • 「食品衛生責任者」の資格を取得する
  • 住居と完全分離したカフェスペースを作る
  • 住居用とは別の「製造許可」のとれたキッチンを作る
  • 提供商品に合った「営業許可」の申請

それでは、自宅カフェを開業するために必要な条件をひとつずつ確認していきましょう。

  • 飲食店を開いても良い地域なのか「用途地域」の確認

最初に確認すべきは、自宅の「用途地域」です。用途地域によって、建設可能な建物の種類が分かれています。自宅の用途地域が「第1種低層住居専用地域」や「市街化調整区域」だった場合、自宅でカフェを開業できない可能性があります。

市役所や区役所に行き、最初に必ず確認しておきましょう。

  • いくら必要か「開業資金」の確認

次は開業するために必要な資金の確認です。自宅を改装してカフェにするためには、ざっと見積もって300万〜800万円ほどかかるでしょう。

  • キッチン周り(二槽シンク、ガスコンロ、手洗い場、作業台など)
  • 内装(壁紙、床、タイル、玄関、居住部分との壁、トイレなど)
  • 最低限の設備(給水配管、排水配管、電気設備、空調設備、ガスなど)
  • 機材(エスプレッソマシーン、オーブン、冷蔵庫、製氷機、給湯器など)
  • 家具や材料費など

自宅の改装規模や、新調する機材の数、種類によって値段は大きく変動するので、あくまでも参考程度の金額です。

  • 「食品衛生責任者」の資格を取得する

カフェを開業するには「食品衛生責任者」の資格が必要です。開業予定の3カ月前までには取っておくと良いでしょう。

  • 費用:12,000円程度(都道府県による)
  • 内容:食品衛生学・公衆衛生学・食品衛生法
  • 受講時間:6時間ほど(テスト含む)
  • 申込み:各都道府県の食品衛生協会のサイトより

※東京都の食品衛生責任者の講習会はこちらより申込み可能です。

栄養師、調理師、製菓衛生師、船舶料理士などの資格を既に持っている場合は、講習会を受講せずとも「食品衛生責任者」の資格を得られます。

  • 住居と完全分離したカフェスペースを作る

自宅をカフェにするためには、居住スペースと店舗スペースを明確に分ける必要があります。一戸建ての場合は「上下分離型」と「縦割り型」の二種類があります。

①上下分離型

「1階がカフェスペース、2階が居住スペース」のように、フロアで完全に分ける方法です。住居が2階になる場合には、足音や生活音がカフェスペースに響かない様に注意が必要です。

②縦割り型

「手前がカフェスペース、裏が居住スペース」のように住居を縦に分ける方法です。店舗用と、住居用で出入り口が2つ必要で、それぞれの空間を壁で完全に分けるため、大規模な工事になりやすいです。

マンションの場合は「営業利用の許可」と、「部屋の改装許可」を管理会社に確認する必要があります。頻繁な出入りや、騒音、駐車場などで、近隣トラブルに発展しないよう細心の注意が必要です。

  • 住居用とは別の「製造許可」のとれたキッチンを作る

自宅カフェだからといって普段使っているキッチンで作った物は販売できません。カフェで提供する物は必ず、居住スペースとは別の製造許可の取れたキッチンで作る規則になっています。

キッチンの条件は以下の通りです。

  • 取扱量に見合った広さ(面積)があること
  • キッチンの床は、水はけがよく掃除しやすい材質であること
  • 洗浄用のシンクが二槽あること
  • 液体石鹸の付随した手洗器の設置(洗浄用シンクとは別)
  • トイレに客用手洗器の設置
  • キッチンとフロアは扉などで区分すること
  • 蓋付きのゴミ箱を設置すること
  • 食器棚は戸がついていること
  • 冷蔵庫には温度計を設置すること

製造許可が取れるキッチンの条件は、自宅が位置する区域の保健所によって変動します。先にあげた条件は一例にすぎません。許可が取れず余計な出費がかかる事を防ぐためにも、自力で調べるのではなく管轄の保健所へ問い合わせて必ず確認をしてください。

間取り図を持参して相談に行くと、双方分かりやすいでしょう。

  • 提供商品に合った「営業許可」の申請

一言にカフェといっても提供する商品によって、必要な許可が変わります。利用目的に合った営業許可を取っていないと開業はできないので注意が必要です。

カフェの場合は以下3つのどれかに当てはまるケースが多いので、提供する商品をよく考えてから保健所へ申請するようにしましょう。どの許可が必要なのか分からない場合は、管轄の保健所へ確認してみてください。

申請時には、取得手数料と食品衛生責任者の資格証明書が必要です。

①喫茶店営業許可

  • 取得手数料12,000円
  • アルコールを除いたドリンクと、ほとんど調理していない軽食のみ販売可能

②菓子製造業営業許可

  • 取得手数料14,000円
  • 焼き菓子・生菓子・和菓子・パンなど販売可能

③飲食店営業許可

  • 取得手数料16,000円
  • 食品を調理、または設備を設けて、お客様が飲食をする場を提供する営業が可能

 

保健所の審査に合格すると2週間ほどで「営業許可証」をもらえます。そしてやっとカフェとして営業することが出来るのです。

3.利益はどのくらい?

客数や単価によって全く違うため、一つの例として参考にしてください。月25日営業、席数が10席、1日に20人ほどお客様が来ると仮定します。

コーヒー1400円、ランチ11000円で提供した場合、客単価は700円となり35万円ほどの月商になります。

自宅なのでテナント料は引かれず、ひとりで営業するのであれば人件費もかかりません。経費の大幅削減により、月商の50%が利益(自身の人件費含む)になる可能性もあるでしょう。

4.まとめ

住居を改装するにはそれなりの覚悟が必要ですが、行動しなければその趣味はずっと趣味のままになってしまいます。自分の作った商品が誰かに求められる喜びや、商品に価値を感じてくれる人との出会いは、行動した人だけが手に入れられるのでしょう。

働き方も多様化している今だからこそ、一歩踏み出すチャンスかもしれません。この記事が少しでも参考になり、行動するキッカケとなったのであれば幸いです。

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