第3回 メニューを決めよう

まずはメニュー作りから始める

Q.メニューはどのタイミングで決めれば良いのでしょうか?
物件取得のほかで、大きな資金が必要なのは厨房機器です。
メニューが決まらないと厨房機器も何が必要なのかが決まりません。
たとえば手作りケーキを作りたい場合は、業務用のオーブンは不可欠になってきます。
エスプレッソやカフェ・ラテにこだわりたければ、エスプレッソ・マシンが必要になります。
食べ物が軽食だけという場合は、業務用のオーブンは必要ないかもしれないので、その分スペースも小さくてすむと思います。

また、メニューによってどんな食器を使うか、どんな食材をどのくらい使うかが分かってくるので、仕入れ業者の選定もできます。
前回少しお話しした「飲み物系」と「食事系」では、1人のお客様が1回の来店で使う金額に大きな差が出てきます。
この点についてもメニューが決まることで売上予測がたてられ、事業計画書の作成ができ、必要な資金がわかります。
このように、メニューが決まることで、決められることがたくさんありますよね。

多くの人が、カフェのイメージ作りや物件探し、内装を優先するため、メニューを後回しにしがちです。
これが失敗の原因に繋がるんです。
自分のやりたいカフェを実現するためには、何よりも先にメニュー作りを始めてみてください。

オリジナルレシピが大切

iStock_000065734499_Small
Q.どのようにメニューを作ればいいのでしょうか?
自分らしいカフェを作るためにはオリジナルレシピがとても大切になってきます。
オリジナルレシピ開発のポイントとしては、「お料理の本を参考にして、それに自分のオリジナルアイデアを必ず加える」ことです。
たとえば、紅茶にバラのジャムを加えるとか、和風パスタに自家製のにんにく醤油を使うなど、最初は小さなことからで構いません。

試作をしたら、食材の分量や作り方、盛り付けのポイント、完成した料理の写真をノート(レシピ基準表)にまとめていきましょう。
レシピ基準表には、レシピ以外に売価、材料費、原価率、粗利率、ロス率を明記します。
今はまだ記入できないと思いますが、元のレシピさえ作っておけば、仕入れ業者を決めたあとに、すぐに書き入れられますよね。
また使用したいお皿まで書き入れられるようにすると、お店をオープンした後も、ずっと使えるものになります。

オープンしてから1年はメニュー開発をする余裕がないほど忙しくなります。
ですので、季節メニューを含めて100枚以上のストックをしておくと安心です。

レシピ開発のヒント

Breakfast with coffee
Q.レシピ開発のコツはありますか?
レシピ開発のアイデアが煮詰まったり、さらに発展させたい場合は、次の4つのポイントを参考にしてください。

1.雑誌、デパート地下の食品売り場などで流行の食材の情報をチェック
2.気になったものは何でも食べて本物の味を知る
3.色彩感覚を豊かにする
4.飲食したものは忘れないうちにメモをとり、イラストや写真で記録する

外食するときは、あなたのカフェコンセプトや、作りたいメニューにイメージが近いお店に行くようにします。
そして、それを必ず記憶しておくこと。これはレシピづくりの貴重な資料になります。
普段の食事も、外食もデジカメなどで撮影することをお薦めしますね。
そこに、良い点、悪い点を書き添えてみてほしいです。
これはカフェに絶対必要な「メニューブック作成」の良い練習になるでしょう。
皆さんにも今日お話ししたことを参考にまずはメニュー作りを始めてみてください。

富田先生が教えるカフェのビジネススクール「カフェズ・キッチン」はこちら
http://www.sanaegakuen.co.jp/index.shtml

関連記事一覧