「COFFEE & ROASTER 2-3」のカフェのコツ|No.027

下高井戸駅からすぐにある『COFFEE & ROASTER 2-3』。下高井戸シネマの近くということもあり、コアな映画ファンも立ち寄る自家焙煎の個人カフェです。もともと喫茶店だったという居抜き物件を借りて約12年前にオープンしました。オーナーの足立道彦さんは20歳の頃から「コーヒーの仕事をしたい」と思い続け、夢を実現。 開業までの道のりや10年以上お店を続けてきて思うことなど、お話を伺いました。

連載「長くつづくカフェのコツ」
カフェをたのしくつづける秘訣を現役オーナーさんにインタビュー!これからの開業を希望するみなさんにはもちろん、今まさに店舗を運営されてるオーナーさんにとってもためになるヒントが満載です。
コンセプトや看板メニュー、また、収益の多角化や集客などをテーマにしています。

──カフェを始められたきっかけを教えていただけますか?

純粋にコーヒーが好きなんですよね。中学生の頃からコーヒーを飲むようになって、20歳くらいでぼんやりと「コーヒー」の仕事をしたいと思い始めました。いつでも開業できるように、自家焙煎をやっている喫茶店でアルバイトしたり、焙煎の講座に参加したりしながら勉強していました。物件探しも並行して行っていたんですがなかなか予算と希望条件が合わなくて…そんな中たまたまこの物件と出会えたんです。特に縁のある場所ではなかったんですが、商店街の雰囲気もそこにいる人々も素敵だなと思えたのでここで開業することを決めました。振り返ればあっという間ですが、今年の11月で12周年を迎えます。

──素晴らしい!修行をしてから開業されたんですね。

接客はやっておいて損はないと思います。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」って経験がないとなかなか上手く言えないんですよ。声のボリュームや、タイミングも慣れないと難しい。これからカフェをされたい方には、自分のコンセプトに近いお店で働くという経験は、とてもプラスになると思います。 

──その通りですね。実際にお店をはじめて、大変だったことはどんなことでしょうか?

最初のうちはお客様がなかなか来なくて…どうしたらお客さんは来てくれるのかと日々考え続けていました。でも悩んでいても状況は変わらないし「ひとつひとつ丁寧にやっていくしかない」と気がついて。そこからお客さんに喜ばれることは何かを考えながら、少しずつ改良をしていき、心地よい空間を作れるように努めました。時間はかかりましたが、そのおかげで常連さんも徐々に増えていきました。本当にお客様に支えられて、ここまでやってこれたと思っています。感謝しかありません。 

──常連さんは個人カフェにとって本当に大切ですよね。コロナウィルスの影響はありましたか?

外出自粛によって人通りが減り、来客数は減りましたね。けれど、うちのお店は8~9割が常連さんというのもあるのですが、おうち時間を過ごす人が増えたことで、コーヒー豆の販売量が増えたんです。そこは焙煎をやっていてよかったと感じる部分でもありますね。ただ、単純に今までの営業にプラスして「コロナ対策」の作業が増えました。消毒液の設置や、除菌対応、マスクの着用など大型店舗と同じような環境を整えなければいけないというのは、小さい個人店にとっては結構大変でしたね。スタッフがたくさんいるわけではないので。 

──単純に仕事量が増えるわけですもんね。でも地元に愛されているような個人店は、こういう時でも大きな影響を受けずに続けられるというのは強みですね。

もしうちがそういうお店だとしたら、本当にありがたいです。お店としてもお客様に少しでも安心して来店していただけるように、キャッシュレス決済をスタートさせたんです。「お釣りを触りたくない」とか「現金を触らずに会計したい」というご要望も増えてくるかもしれないと思って、6月から導入しました。

── そうなんですね!お店にとっては大きな変化ですよね。どんな反響がありましたか?

3~4割のお客様がキャッシュレスを利用してくれています。QRコードやICを使った決済を利用して下さる方も多いので、導入してよかったなと感じています。

──キャッシュレス決済ができると若い人は利用しやすいですよね。

そうですね。コロナ対策をきっかけに始めたのですが、結果としてそういう反応も得られたのならありがたいですね。コロナによって、状況は様変わりしていますから、柔軟に対応すべきところはしつつ、自分の核となる部分は変えずに行きたいなと思っています。

──これから開業される方に向けて、準備の段階でしっかりやっておくべきだと思うことを教えてください。

まず開業前にやっておいた方がいいなというのは、助けてくれる「人」のネットワークを作っておくことですかね。1人では続けていくことが難しいので。あとは、体調管理。うちのお店に関して言えば、コーヒーからフードまで私が全部作っているので、自分が「体調悪いな~」という日があったらお店を開けることすらできないわけです。あと気力も大事ですね。 

──気力ですか?

例えばお客さんが全く来なくても「明日も店を開けよう」と思える気力です。カフェって始めるのは簡単だとよく言われています。私も開業前は知り合いから「続けるのが難しいんだ」って言われてましたけど、全くその通りだと実感しています。

──確かに簡単に開業してしまう人も多いですが、続けることが大変だというのは私たちも伝えていきたい部分です。

あと私の中で「自分がつまらないと思うことはやらない」というのも決めています。誰かに言われてやっているお店ではないので、自分がやりたいことをやるべきだし、モチベーションが下がるようなことはやる意味がありませんから。例えばうちのお店は、コーヒーはもちろんそれ以外のフードもなるべく手作りしたものをお出ししていますが、「焙煎が忙しくなったから、店内では出来合いのフードを出そう」なんてことは絶対にしたくないんです。これからも、コーヒーやカフェ運営に対する自分自身の信条と照らし合わせながら、常にお客様と向き合って、一日でも長くお店を続けていきたいです。

【カフェ情報】
COFFEE & ROASTER 2-3

https://kojincafe.com/cafes/coffee-roaster-2-3/

http://coffee2-3.jp/
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〒168-0073
東京都杉並区下高井戸1-2-14 蒲原ビル1F
営業時間:11:30〜20:00(ラストオーダー19:30)
電話:03-3327-9923
定休日:月曜日(月曜祝日の場合は、翌火曜日)、不定休あり
広さ:13坪
客席数:最大16席
スタッフ:2名

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