「cafe rail」のカフェのコツ|No.028

兵庫県姫路市にある『cafe rail(カフェレイル)』は、2003年にオープンしたカフェ。天井が高く、全面ガラス張りのゆったりとした店内は、どの時間帯に足を運んでも心地よい空間を演出してくれます。子連れのママさんや、地元客で賑わうcafe railのオーナー黒崎 有希生さんにお話をお伺いしました。

連載「長くつづくカフェのコツ」
カフェをたのしくつづける秘訣を現役オーナーさんにインタビュー!これからの開業を希望するみなさんにはもちろん、今まさに店舗を運営されてるオーナーさんにとってもためになるヒントが満載です。
コンセプトや看板メニュー、また、収益の多角化や集客などをテーマにしています。

──とても広い店内ですが、元々はどんな場所だったのでしょうか?

ここはもともと畑だった場所で、土地を借りて建物から建てました。店内が33坪で42席あり、駐車場も23台の車を停められる広さがあります。車でも来やすい場所を探していたんですが、ふと通りかかった今の場所が気に入って、地主さんに直接相談したんです。初期費用は建物を設計して建設する分も含めて数千万円かかっていますが、賃料は土地代しか掛からないので、ランニングコストは抑えられています。

──個人カフェでこの規模のお話は初めてです!郊外だからとは言え、小さなカフェではなく、大規模店舗を選んだ理由はありますか?

このお店を設計してくれた設計士さんから「カフェだけでやっていくなら、大きくないと無理だよ!」と言われて(笑)。私自身、漫画に出てくるようなカフェのマスターになりたいなぁ~なんて理由からカフェを始めたので、小さいお店でもそれなりに経営していけると考えていたところもありましたが、全然違いました。今では大きい店舗にして本当によかったと思っていますよ。

──なるほど。個人が数千万円規模のカフェをやるというのは、ハードルが高いようにも感じます。黒崎さんは、どのように資金を集めたのですか?

20歳の頃から、証券会社に行って資産運用をしていました。

──すごいですね!

この頃からいつかお店を開きたいなぁという気持ちが漠然とありました。でもサラリーマンをやっているだけじゃ資金は貯まらないというのもわかっていて。じゃあどうやって貯めようか? と考えた結果が、証券会社だったんです。なんとなく怪しいと思ったりする人もいるだろうけど、お金の勉強は誰かが教えてくれるわけではないので、しっかり自分で学んでいく必要があると思います。お金を増やして、お金にもしっかり働いてもらわないと。貯めるまでにもある程度の時間はかかりますからね。

──美味しいご飯が作れて、素敵なセンスもあっても「お金」がない……では、やりたいカフェを作りあげられないですからね。資金に余裕があれば、選択の幅も広がりますし。

そうですね。あとは、開業したいエリアの商工会議所に相談してみるのもいいと思います。開業を支援してくれる様々な制度がありますし、自分だけでなんとかしよう!って思っている人は損してる可能性がありますね。今はクラウドファンディングも活用できる時代だし、ネット上で支援制度やカフェ開業に関する情報が無料で手に入ります。他にも展示会に参加したり、新聞を読んだり、こちらから情報を取りに行くという姿勢も大切ですね。カフェの運営自体は、正直やってみないとわからないことの方が大半なので、走りながら経験値積んでいく!くらいの気持ちも必要だと思います。

──こういった情報はなかなか開業本などには載っていないので、とても参考になると思います。走りながら経験値をということでしたが、お店のInstagramにもたくさんアップされているラテアートは、どこかで勉強されたのですか?

実は独学なんです。なので正しいやり方かはわかりませんが、アルバイトの子にもちゃんと教えてます。今ではrailで働く全スタッフがラテアートを担当できますよ。17年前からやっているんですけど、当時はかなり珍しかったのでこのエリアだとラテアートの元祖と言ってもいいくらいだと思います(笑)

── 全スタッフがラテアートできるってすごいですね。アニメのキャラクターや本格的なものまでインスタ映えするようなものが多いのに、独学だとは驚きました。

ラテアートって提供した時のお客様の反応がダイレクトに感じられるのが楽しいんですよね。だから、もっと喜んでほしいという気持ちで色々と挑戦しています。うちのお店は95%が女性客なので、メニューも女性向けのものが多いです。とはいえ、このエリアは質と同じくらいボリュームを求める方が多いので、そういった方にも満足いただけるようにボリュームのあるメニューも用意しています。人気メニューのロコモコ丼は男性でも満足できるくらいの量にしてますね。

──しっかりとお客様の要望や気持ちに対応されてて、人気の理由がわかりますね。お店の宣伝活動の中で効果があったものを教えてもらえますか?

Instagramですかね。投稿だけでなくInstagram広告もやってます。広告を出すとフォロワーも増えますし、ある程度の効果があると思って続けています。昨年末には、店内で飲食した写真をInstagramにアップした方にエコバックをプレゼントする企画なんかも行いました。雑誌は無料じゃないと掲載していません。本屋さんが近くにないので、近隣の方が目にする機会も少ないかな? と思って。

宣伝活動ではないですが、コロナウィルスのことがあったので6月からUber Eatsも始めました。これからは飲食店の形も変わってくると思うので、時代に合わせた営業の仕方をしていかないといけないですからね。

──本当そうですね。今まで通りではやっていけない時代になってきました。最後に開業準備の段階でやっておくべきことを教えてください。

まず第一は、お金のリテラシーをあげることですね。皆さん賢くお金を貯めましょう!他にも、ウェブの知識や広告のこと、社会情勢や国の制度など、料理以外の知識をたくさん身につけておくことも大切だと思います。カフェ運営が始まってしまうと、日々忙しいので情報収集する時間を作ることも大変ではありますが、毎日の習慣になっていれば苦になることはありません。開業準備の段階でそういった情報収集する癖をつけてください。

あと、開業する場所は自分で見つけることが大切です。そして、しっかり飲食店の設計をしたことがあるプロの設計士さんに内装をお願いしましょう。不動産屋さん任せにすると会社の都合で貸したい(売りたい)物件を勧めてくることもありますからね(笑)

──確かにそれは全て大事なポイントですね。開業希望者向けにお金の講座を開いてほしいです(笑)

色々とお金のことを言いましたが(笑)、もちろん人間力も大事な要素です。最終的に人を引きつけるのは人間力ですから。開業までにはやるべきことがたくさんあるので大変だと思いますが、妥協せずに自分のやりたいお店を作ってもらいたいですね。頑張ってください!

【カフェ情報】
cafe rail

https://kojincafe.com/cafes/rail/

http://rail.cafe/
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〒168-0073
兵庫県姫路市飾磨区上野田5丁目104
営業時間:11:30〜22:00(ラストオーダー21:00)
※営業時間は変わる可能性があります。最新情報については、お店のSNSを参照ください。
電話:079-235-3338
定休日:水曜日
広さ:33坪
客席数:42席
スタッフ:トータル6名

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