「cafe earth」のカフェのコツ|No.021

カフェオーナーともうひとつのお仕事をしながら江古田で個人カフェを営む『cafe earth』オーナーのチャコさん。もともと運営を任される形で勤めていたカフェを辞め、同じ東京都・江古田駅の近くに『cafe earth』を開業されました。江古田が大好きだと語るチャコさんに、開業までの道のりと、カフェを続けるコツを伺いました。

連載「長くつづくカフェのコツ」
カフェをたのしくつづける秘訣を現役オーナーさんにインタビュー!これからの開業を希望するみなさんにはもちろん、今まさに店舗を運営されてるオーナーさんにとってもためになるヒントが満載です。
コンセプトや看板メニュー、また、収益の多角化や集客などをテーマにしています。

──カフェを始めたきっかけを教えてください。

ここから5分くらいの場所で間借りカフェを5年半ほどしていまして、同じ江古田で独立しました。もうひとつ声優のお仕事もしているのですがあまり忙しくないし、この歳でアルバイトも探すの大変だし、どちらの仕事も両立出来るなと思って、思い切って自分でやってみようと思い、公庫からお金を借りて2017年に『cafe earth』を開業しました。

──やりたい仕事を2つ両立できるのは理想的ですね。独立するにあたり別の場所を選択する余地もあったと思いますが、また近い場所を選んだ理由は?

5年半で近所のお店とも仲良くしていただきましたし、お客様も常連さんになっていただき、ワンちゃんも赤ちゃんも通ってくれて、一緒に成長を喜ぶ関係性だったので別れたくなかったのです。
あと近くに練馬総合病院という大きな病院があるんですけど、前の店舗の位置関係は「駅→病院→カフェ」だったので、病院に用事がある人がカフェに来る時は「わざわざ」来ないといけない場所だったんです。それを解消したいという思いもあったので「駅→カフェ→病院」の場所にある現在の場所にお店を作りました。
練馬区はネリサポという創業支援をしてくれるところがあるのでお世話になりました。開業の工事費と3年間の家賃補助金をいただけました。

参考:https://www.nerima-idc.or.jp/bsc/

──補助金は大きいですね。それでは、お店のコンセプトを教えてください。

お店のコンセプトは「江古田で一番楽しいカフェ」を目指しています。江古田は大学が3校あり、芸術大学出身のクリエーターや漫画家、デザイナー、芸術家、音楽家が多くいます。貸しスタジオや劇場、ギャラリーもあります。cafe earthでも手作り雑貨販売やウクレレレッスン、ギャラリーとして壁をお貸ししたり、役者による朗読会、カフェ劇、アコースティックライブもやっています。

──素晴らしいですね。お店の看板メニューはなんでしょうか。

「とろとろ卵のオムライス」と「スコーン」ですね。家族に食べてもらって、みんなが美 味しいと思ったものを出しています。価格は安めに設定していて、私がおばあちゃんに なってもこの価格で続けようと思っているんです。街の駄菓子屋さんみたいな感じでずっ とこの街にあるお店ってなんかいいじゃないですか。 なので、私自身は続けていける程度に黒字が出ればそれでいいと思ってやっているのです が、お客様が「かわいそう…」と思ってくれて、通い続けてくれるんです(笑)。

──「街の駄菓子屋さん」確かにいいですよね。テイクアウトや宅配などは行っていますか?

テイクアウトもやってますし、宅配はUberEatsを利用してやっています。 風邪でお家から出られない人が、家で料理は作れないけど「おかゆ」を食べたくなる時ってあるじゃないですか? 1人で運営してるので自分で宅配はできないけど、UberEatsであ れば実現できるなと思って始めました。お粥をはじめとしたヘルシーメニューも頼まれますが、スコーン1個だけとか、ドリンク1つだけとかでも注文してもらえるので、色々なニーズがあるんだなと思いますね。 手数料もあるので利益的にはあんまりですが、UberEatsを頼んでくれた人が後日お店に来店してくれたりと、カフェ自体の宣伝にもつながるので、これからも続けていこうと思っています。

──なるほど。ちなみにお店の宣伝効果で一番良かったと思うことはありますか?

商店会とか、近所のお店の人と仲良くなることですかね。ちょっと前になりますけど、江古田にあるお店のオーナーさんたちと一緒に「江古田MAP」というお店の料理や商品の 写真と江古田の地図を載せた冊子を10店舗くらいでお金を出し合って作って、各店舗で 配ったことがありました。店舗同士の横のつながりがあるとこうして協力して地域を盛り上げることができますし、みんなが「cafe earthのスコーンが美味しいよ」って紹介してくれたりするので、お互いに紹介しあえる関係を近所のお店の人と作っておくのが一番の 宣伝効果だと思います。

──それは本当に大事なことですよね。カフェ運営の中で一番楽しいことはなんですか?

今の話とも重なりますが、いろんなつながりができたことですね。つながりがあるからこ そ続けられている部分はすごくあります。あとは、病院から帰ってきた人がうちのお店に来て「ほっとした」と言ってくつろいでくれたりしているのを見るととても嬉しくなるんですよね。私自身、体が弱くてよく入院していたということもあり、お店を作るにあたり「退院後に真っ先に食べたいと思える料理を提供したい! 」という思いがあったんです。 なので、病院帰りに自分のお店に来て元気になってくれる人をみると、お店を作った意味 があったなーと思えます。 私自身のことでいうと、カフェを始めてから体の調子がすごく良くて(笑)。よく入院していたことが嘘のようです。私にはカフェという仕事が合ってるんでしょうね。

──カフェオーナーという仕事が自分の体とも心ともマッチしていたんですね。では最後にこれから開業を目指す方にメッセージをお願いします。

お店のコンセプトはもちろんですけど、人に好かれる人間づくり、人脈づくりをしっかりね! ってことですかね。学生さんが来たらお母さんみたいに悩みを聞いてあげたり、お ばあちゃんが来たらデイザービスのように話を聞いてあげたり、相手が喜ぶことができる人はカフェを続けていけると思います。どうしても、トレンドに敏感な人向けにカフェを作りたいと思う人が多いかもしれないけど、「○○向け」ってするとうまくいかないと思 うんです。これから始める人の中には、こだわりが強くて「そういうことはできません」って人もいると思いますが、私はお客様からの要求にはどんどん応えていくべきだと思っています。それが個人店の強みだから。相手のために、お客様がほっとできるような雰囲気づくりをできるように意識することが大切だと思います。

【カフェ情報】
cafe earth

http://kojincafe.com/cafes/cafe-earth/

http://cafeearth2017.blog.fc2.com/

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〒176-0005
東京都練馬区旭丘1丁目56−13−101
営業時間:11:00〜18:00
定休日:月曜日
広さ:6坪
客席数:15席
スタッフ:1名

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