「まいこカフェ」のカフェのコツ|No.020

埼玉県上尾市にある『まいこカフェ』は、住宅街に佇むほっこり空間のカフェです。自分の家のようにくつろげる空間を提供したいと、店内のインテリアにもこだわったと語るオーナーの安達まいこさん。27歳という若さでカフェを開業し、今年で6年目を迎える安達さんに、オープンするまでの苦労や運営していく楽しさなどお伺いしました。

連載「長くつづくカフェのコツ」
カフェをたのしくつづける秘訣を現役オーナーさんにインタビュー!これからの開業を希望するみなさんにはもちろん、今まさに店舗を運営されてるオーナーさんにとってもためになるヒントが満載です。
コンセプトや看板メニュー、また、収益の多角化や集客などをテーマにしています。

──カフェを始めたきっかけを教えてください。

私の母は49歳の若さで亡くなったんですが、その時から「やりたいことはやっておかないと!」と思うようになったんです。その当時、自分がやりたいことってなんだろうと改めて考えたときに、「自分のカフェを作りたい!」という思いが強くなって、まずは開業について学ぶために2年間ほどカフェスクールに通いました。そして、スクールで出会う人含めて色々な人の経験談を聞いているうちに「”今”やらないとできないかもしれない!」という気持ちになってきて、この場所でカフェを始めることにしました。

──いろんなきっかけが重なって開業されたんですね。お店には、こだわりが見えるようなおしゃれな小物やインテリアがいっぱいありますね。

ありがとうございます。お店のコンセプトは「自分の部屋のようにくつろげる空間」を意識しているんです。カフェって疲れた時にリラックスしにいく場所だと思うんです。だからできるだけ来ていただいたお客さんにはくつろいで欲しいと思い、お店のレイアウトも考えています。

例えば、カウンターキッチン内にいる店員の気配を感じさせないような間口の取り方や、1人客用の席などです。1人で来ても複数人できても、思い思いの時間を過ごせるように工夫しています。インテリアとしては、アンティークとかアメリカンテイストなものを置きつつ全体の統一感を整えました。「自分の部屋」がコンセプトではあるんですが、あまり家っぽくなりすぎないようには意識しましたね。 

──くつろいで、長い時間いるお客様も多いのでは?

そうですね。今までで一番長かった人は、7時間いましたね(笑)。

──それはすごい(笑)お店のお客さんは常連さんが多いですか?

そうですね。最近は、ご新規のお子様連れのママさんも増えてきているのですが、常連さんの割合は7割くらいかと思います。平日は60代の方が多くて、ご近所のおじ様、おば様たちの憩いの場にもなっています。土曜日は新規のお客さんと常連さんで、とにかく忙しいです。

──看板メニューはなんですか?

オムライスですね。開業当初からずっと人気メニューです。開業前にオムライスが有名なお店にはたくさん視察に行って、参考にしながら試作を重ねて完成しました。飽きがこないように、赤のオムライスと緑のオムライスの2種類を提供しています。どちらにもファンがいて、同じくらい人気です。これから開業される方も、お店の顔になる看板メニューは必ず作っておいたほうがいいと思いますよ。 

──常連さんが多いと、コミュニケーションが難しいというオーナーさんも多いと思うのですが、お客様との付き合い方で気をつけているところはありますか?

接客は好きなので、これまでにものすごく困ったことはないですが、意識していることでいうと「注意しながら優しくする」ですかね(笑)。常連さんが求めるものを全てを許してしまうと他のお客さんにも迷惑になることもあるし、かといって厳しく注意するのは大切な常連さんに嫌な思いをさせることになるので、言わないといけないことはちゃんと言いつつ、なるべく笑顔で、空気を読みながら、皆さんの居心地を保てるようには努力しています。

──なるほど。空気を読む・察するというのはオーナーさんのスキルで必要な部分かもしれないですね。宣伝活動はどのようなことをされていますか?

埼玉県上尾市には『あぴお』というフリーペーパーがあるんですけど、それによく掲載してもらっています。地域柄、こういう地域情報誌の効果が高いように感じます。年配の方が多いので紙媒体であるこうした情報誌はまだまだ根強いですね。SNSもなるべく発信しようと思っているんですけど、まだコツを掴めていないのが正直なところ。Instagramはフォロワー1000人を目指して頑張っています。

──収益の多角化で取り組んでいることがあれば教えてください。

新規の方へのプロモーションにもつながるかもしれませんが、イベントはいっぱいやっています。特に力を入れているのは、毎年開催している「まいこカフェの夏祭り」と「まいこカフェのクリスマス感謝祭」というイベントで、この日1日限定のメニューを作ったりもしています。毎年その日は50~60人は参加してくれていて、常連さんも新規さんも本当に楽しんでくれているイベントだなと毎回嬉しくなります。あとは、地域の色々な講師の方にお店でワークショップを開催してもらったり、それがきっかけで常連さんになってくれたり、イベントを通じて繋がることは多いですし、私自身も楽しいからこれからも続けていきたいです。 

──イベント開催は大事ですね。カフェ運営で一番大変なことはなんですか?

一番大変だと思ったのは体力ですかね。自分が体調を崩したらお店も開けられないので、体調管理はとても大事なポイントになると思います。あとは資金については、4年目まで本当辛かったです。なかなか思うように利益が出ず、毎日悩んでいました。でもつい最近ですが、5年目から黒字になって、楽しくなってきた感じはあります。

──プラスに転じた要因は何かありますか?

たった2時間なんですけど、営業時間を20時までに伸ばしたんです。すると、仕事帰りによってくれる人が増えて、そこから利益が出るようになりました。本当、何が効果があるかわからないもんですね。商売ですからやっぱり利益が出ると楽しいです(笑)

──たった2時間が大きかったんですね。では最後に、これから開業したい方に向けて準備しておいた方が良いこと、やっておくべきことを教えてください。

まずはやっぱり開業資金。できるだけ自己資金で開業できるのが理想的です。しっかりと資金を貯めることが大切だと思います。あとは、実際に現場でアルバイトすることですね。仕込みの方法や食材の保存の仕方ってすごく大事なんですよ。料理が上手いだけじゃダメで、そういった現場じゃないと学べないことをどれだけ学んでおけるかは大切なポイントです。お店で出す食事って賞味期限を自分で決めないといけないんですよね。専門学校ではその知識は教えてもらえたけど、実際に自分でやるのでは大違いなので、現場で経験を重ねるというのは本当に大切だと思います。

あと! 最後に(笑)、カフェっていい意味でも悪い意味でもやる人の「人柄」がすごく出る場所なので、日頃から自分らしさを表現することを鍛えておくと、オープン時から、自分らしいカフェ作りができると思います。頑張ってください!

【カフェ情報】
まいこカフェ

https://maikocafe.com/

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〒362-0075
埼玉県上尾市柏座3-10-10 富士見ビルC-102
電話:048-729-5639
営業時間:11:00〜20:00
定休日:月曜日
広さ:12.25坪
客席数:15席
スタッフ:合計3名(ランチタイムは常時2名体制)

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