「ロースターカフェ・アランチャート」のカフェのコツ|No.004

東京都世田谷区、東急目黒線奥沢駅から徒歩1分のところにある『ロースターカフェ・アランチャート』。この土地で20年以上カフェ運営を行っている深澤賢一さんは、18歳から大手コーヒー店で経験を重ね、30歳になる時に今の場所でフランチャイズ喫茶店のオーナーとなりました。その後、南千住にある『カフェ・バッハ』で修行を重ね、ロースターとして再出発。長く続けているからこそわかる、カフェ経営の楽しさと苦労をお伺いしました。

連載「長くつづくカフェのコツ」
カフェをたのしくつづける秘訣を現役オーナーさんにインタビュー!これからの開業を希望するみなさんにはもちろん、今まさに店舗を運営されてるオーナーさんにとってもためになるヒントが満載です。
コンセプトや看板メニュー、また、収益の多角化や集客などをテーマにしています。

──お店のコンセプトを教えてください。

「体に優しい、何杯でも飲める”良い”コーヒーを提供すること」をコンセプトとしています。2011年から自家焙煎を始めているので、もうすぐ9年ですね。それまでは、フランチャイズの喫茶店を経営していたので、トータル20年以上この場所でカフェ経営でやっています。

──20年以上も経営されていると、街の変化も感じられそうですね。

この物件、私が入る前も喫茶店だったんですよ。物件自体でいうと、40年近く喫茶店をやっていることになりますね(笑)。私が物件を借りた際、床の張替え等は行いましたが、自分が始めてからやったのは壁紙の張替え程度で特に大きなリフォームはしてません。日々の清掃を丁寧に行うことが大事ですね。

街の変化でいうと、一時期この店の周り100m以内くらいのところに、ロースターが8店舗まで増えた時期がありました。サードウェーブ人気でコーヒーにこだわるお店が増えた時期ですね。ただ、それらのお店も現在は半分の4店舗程度に減ってしまいました。少し寂しいですが、飲食店経営は本当に難しいということですね。

──どういったお客さんが多いですか?

平日は40~60代を中心とした地元の方にご利用いただきますが、休日となると近隣に住む20~30代の若い世代の方も多くいらっしゃいます。長いこと同じ場所でお店をやっていると街自体が変化するので、客層も変化していきます。また、昔は1日250人のお客さんが来店するなど、喫茶店利用者がとても多かったですが、今は違います。それに気づいたので、私は自家焙煎のお店に切り替える決断をしました。時代や街の変化に合わせてお店もある程度柔軟に変化させていくことは大事かもしれませんね。

──収益の多角化として取り組んでいることはありますか?

先ほどもお話したように喫茶だけでなんとかなるという時代ではなくなったので、マルシェに出店するなどイベント出店を積極的に行っています。今は月に2回、代官山T-SITEで行われている『代官山朝市』でコーヒー豆の量り売りをしています。場所の特徴なのか、観光客の方も多くて、このマルシェがきっかけで当店の通販サイトから注文をいただいたりもありますよ。店舗だけでなくオンラインでもコーヒー豆の販売も行っていますが、マルシェに出店することで認知度もあげられるので、出店料は広告宣伝費と割り切っていますね。「初めまして」の方に気に入っていただけるのもありがたいですが、農家さんや他のお店との横のつながりができるのも参加しているメリットです。普段はコーヒーとしか向き合っていないので(笑)、私自身も刺激になっているし、参加するたびに勉強させてもらっています。

──販売者さん同士、横のつながりが持てるのはいいですね。他にも、店内ではワークショップも行っていますか?

はい。コーヒー教室は、毎週土曜日の午前中に行っています。出張依頼とかもありますが、基本的には店舗での開催です。他にもマルシェで知り合ったご縁からコンサートやリース作りワークショップ開催にもつながりました。コンサートは月に1回程度ですが、お店の奥のスペースを使っていて、ワークショップもお席で少人数ですが楽しんでもらっています。その他の多角化でいうと、コーヒー豆の卸ですかね。これはまだまだ数は少ないですが、地方でいうと広島県のお店にも卸させていただいています。自分の知らない場所でお店のコーヒーを楽しんでもらえていると思うと嬉しくなりますね。実際にそのお店にも何度か遊びに行きましたが、とっても素敵なお店でした。

▼ 収益の多角化として取り組んでいること
1.マルシェへの出店(毎月第1、第3日曜日)
2.ワークショップの開催(月数回)
3.店内コンサートの開催(不定期)
4.コーヒー豆の卸販売
5.コーヒー豆の店頭販売&オンライン販売

──カフェ運営の中で一番楽しいと思うことはなんでしょうか。

自分のコーヒーがお客様の役に立っていると感じた時ですね。お客様に喜んでもらえるのが何よりの喜びです。また20年以上この土地で商売しているので、地域の役に立っていると感じれる時も嬉しいですね。最近では、わざわざ電車に乗って遠くからお店に来てくれる方も増えましたし、これから焙煎をやってみたいという方にも声をかけていただけることが増えてきました。

──深澤さんは長くカフェ運営に携わっていらっしゃいますが、続けていくためのポイントはなんだと思いますか?

「健康管理」ですね。体壊しちゃったら続けられませんから。今の生活スタイルは、朝7時にはお店で焙煎をスタートさせています。空いている時間でハンドピッキング(豆の選別)をしていますが、お店の営業がバタバタしている時は気がつけば16時間以上お店にいたなんてこともありますので、家族からは「働きすぎ」とよく怒られています(笑)今は娘にお店を手伝ってもらっていて、本当に家族の協力なしではここまでできなかったと思います。

──カフェ運営の中で一番大変だと思うことはなんですか?

これは、売上ですね。カフェ運営は、一定の売上を維持していくことが大変なんです。時代によって求められていることも変わってきますし、それをしっかりキャッチしながら売上を立てていかなければいけません。20年以上やっていますが、結局は売上が一番大変ですね。

また、売上と同時に経費も抑えていかないといけません。特に物件家賃は大きな割合を占めてきます。最初から身の丈にあった物件を選ぶこともそうですが、長く続けていくなら大家さんといい関係を築くのが大切だと思います。土地価格の上昇で家賃が途中から上がることなんてよくあることですから。当たり前のことかもしれませんが、お盆や年末年始に感謝の気持ちをお伝えすることは欠かさないようにしています。うちの場合、大家さんには本当によくしてもらっていて、それがここでやり続ける理由の1つです。

── 最後に、これから開業したい方へメッセージをお願いします。

焙煎をメインにしたお店をやりたいという方は特にかもしれませんが、自分の目線だけで考えたメニューを提供するのはちょっと違うかもしれません。一昔前の焙煎やっている人=堅物みたいなイメージは、今の時代とはちょっとズレますよね。お客さんに興味を持って、何を求めているかのニーズを汲み取ることが大切です。

全てお客様第一にする必要はありませんが、受動的接客と主導的接客のバランスを保ちながらカフェ運営をすることを心がけるのが良いかと。あと、私はお酒も飲みますが、コーヒーってお酒と似ていてコミュニケーションツールでもあるんですよね。つながりを作ってくれます。お酒だと「酔って忘れちゃった」なんてことありますが、コーヒーの場合はちゃんと形に残りますので(笑)、その楽しみも味わってもらいたいですね。

【カフェ情報】
ロースターカフェ・アランチャート
http://kojincafe.com/cafes/cafe-aranciato/
https://www.cafe-aranciato.jp//
────
〒158-0083
東京都世田谷区奥沢4-27-16 1F
電話:03-3728-8997
営業時間: 【平日】10:00 – 19:00 【日曜祝日】10:00 – 18:30
定休日:木曜日
広さ:15坪
客席数:30席
スタッフ:2名

 

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