「大人の図鑑カフェ fumikura」のカフェのコツ|No.005

東京都練馬区にある『大人の図鑑カフェ fumikura』は、2016年1月にオープンしたブックカフェ。店内には2000冊もの図鑑が図書館のように並び、全て購入することが可能です。 もともと書店員として働いていたオーナーの井守正暁さんは、家業のお弁当屋さんを引き継いだ後、店舗を改装しカフェを開業しました。多くのメディアに取り上げられ、本のセレクターとしても注目されている井守さんに、個人カフェ経営のポイントをお伺いしました。

連載「長くつづくカフェのコツ」
カフェをたのしくつづける秘訣を現役オーナーさんにインタビュー!これからの開業を希望するみなさんにはもちろん、今まさに店舗を運営されてるオーナーさんにとってもためになるヒントが満載です。
コンセプトや看板メニュー、また、収益の多角化や集客などをテーマにしています。

──お店のコンセプトを教えてください。

珍しく面白い図鑑を集めたコンセプトカフェですが、『疲れている方に癒されてほしい』という思いが強くあります。ここ桜台周辺には漫画家さんや作家さんが多く住んでいたり、芸大が近くにあったりとクリエイティブな街でもあるので、何か企画や構成で煮詰まっている人の『ヒントになるようなお店』でもありたいと思っています。

──お店のお客様は学生さんがメインですか?

学生さんよりも、40~50代が多めですね。本を読みやすいようにゆったりとした1人席メインなので、図鑑を読みに来てくれるお客さんをはじめ、資格の勉強をしに来る方もいますし、ふらっとお酒を愉しみにいらっしゃる方もいます。おひとりでのご来店が多めですね。また、本の購入を目的にいらっしゃる方もいます。お店としては、ターゲットを絞らずにオールマイティに対応しているので、幅広いお仕事や世代の方にご利用いただいています。

──図鑑を購入できるというのは、珍しいですね。

収益の多角化ともつながるかもしれませんが、古書販売はコンスタントに売れていますね。出版社にお勤めの編集者さんが資料本として、一度に12万円分も購入されたこともあるんですよ。「ブックカフェ」と聞くと、本が「読める」というイメージが強く、実際に読むことを中心としたお店がほとんどなのですが、うちの場合は、読めるだけでなく「気に入ったら購入できる」お店です。カフェ営業しながら、常に本の仕入れに追われています(笑)。こういうコンセプトのお店は珍しいので、有難いことにメディア取材もたくさんしていただいてます。

──それは素晴らしいですね。 開業してからどれくらい取り上げられたのでしょうか?

テレビとラジオで7回、雑誌やフリーペーパー、ウェブ媒体も合わせると20以上は受けていますね。お金をかけたお店のPRはほとんどしていません。オープン当初「個人カフェ.com」に掲載いただけたのは、実はとてもありがたかったんです。無料なのもそうですが、自分の思いを掲載してもらえるのでメディアで編集された情報ではなく、ダイレクトにお店の思いを発信できたのは良かったと思っています。

──ありがとうございます! ちなみにSNSはやられていますか?

それぞれの特徴を生かして、投稿方法を変えて使っていますね。Twitterは常に最新の情報を伝えていて、その日のメニューやお休みについてなどのお知らせがメインです。Instagramに関しては興味関心を持ってもらえるような写真を投稿しています。一見するとカフェの投稿のようには見えないんですけど、お店に並ぶ本の世界をイメージした写真を選んでアップしています。Youtubeでは、お店で開催したイベントの様子や地域情報を動画で編集し、アップしています。Facebookでは、エリアを絞った広告を出すこともあります。イベントのお知らせを近隣エリアに絞って告知できるし、1日数百円から利用できるので便利ですよ。

──かなり工夫されていらっしゃいますね。イベントはどれくらいの頻度で行っているのでしょうか?

年に2回です。誰かをお招きする共催イベントとなると、打ち合わせや版権許諾など企画を練るのに半年くらいかかってしまいますから、これくらいがちょうど良い頻度だと思っています。無料で参加いただけるイベントもありますが、こちらはお店の宣伝になればと思って開催しています。他にも感性があったクリエイターさんの作品の雑貨販売をしていたり、紅茶の販売、ドリンク等のテイクアウト販売なども行なっていますね。ブックカフェ自体、敷居が高いお店と思われがちなので、地元のイベントに協力したり、無料イベントを開催するなど、オープンにするところはオープンにしながら、バランスよく運営するようにしています。

──バランスは大事ですよね。カフェ運営をしていく中で大変なことはありますか?

回転率ですね。先ほどもお話ししましたが、うちは席もゆったりめに作っているので、勉強される方、ノマドワークされる方にもご利用頂いてます。お店の状況によってですが、混んでいる時にはお声がけしたり、長居される方に向けた注意書きを置いたり、土日はコンセントも使えなくしています。Wi-Fiもあえて無くしました。ゆっくり過ごしてほしい気持ちはありますが、お店を続けていくためのことなのでご理解いただけると嬉しいです。

──お店のメニューについても教えてください。

「チリビーンズごはん」はずっと定番メニューで、引越しでこの街から出られた方がわざわざまた食べにきてくれるほどです。あとはジブリ作品でもご活躍されている井上直久先生のイラストが描かれた「IBLARD抹茶ラテ」も人気ですね。井上先生のイベントも当店で実施したのですが、50名以上の方に参加いただき、大好評でした。

メニュー表も自分で作っているので、「このメニュー追加しよう!」と思ったら、すぐに作り直してプリントするようにしています。メニューが変わっていかないとお客さんも飽きてしまいますから、色々なメニューに挑戦するようにしています。すぐにメニューを追加できるのは個人カフェだからこそできることなので、これからカフェを始める人もやってほしいですね。

──カフェ開業をする前にしっかりとやっておくべきだと思うことを教えてください。

しっかりと生活費を確保した上で始めるということでしょうか。とんがったコンセプトカフェの場合、誰もお客さんが来ない日もあると想定しておいた方がいいですし、街に定着するのに時間がかかります。当たり前ですが、生活できなければ続けられませんので。

あとは、他のお店にはない感性を磨いておくことも大切かもしれませんね。自分の強みを知っておくことで、競合店も明確になってきて下調べもしやすくなります。あとは自分の感性が物件と合っているかどうか、自分の強みを生かしてくれる物件かどうかという視点を持つことも大切だと思います。

──ありがとうございます。最後にこれから開業する人に向けてメッセージをお願いします。

先日、喫茶店の倒産が過去最高件数になったというニュースをみました。倒産要因としては、後継ぎが居なくなったり、コンビニ等の手軽な商品に喫茶店が勝てなくなっていること、ファーストウェーブのチェーンが苦戦していることなど様々あると思いますが、個人経営のカフェ・喫茶店はまだ生き残っていると思うんです。だからこそ可能性もあるし、これから始めるという方には可能性を信じて頑張ってもらいたいです。様々な職業のお客様と出会えるのはカフェの魅力ですし、自分の選書の幅も広げてくれます。最終的にお店を続けるのも閉めるのも自分次第。お客さんにとっても自分にとっても居心地のいい場所であり続けられるよう、私も頑張っていきたいです。

【カフェ情報】
大人の図鑑カフェ fumikura
https://kojincafe.com/cafes/book-cafe-bar-fumikura/
http://fumikura.ne.jp/
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〒176-0002 
東京都練馬区桜台1-4-7 仙川ビル1階
電話:03-6914-5886
営業時間:11:00~23:00
定休日:火曜日
広さ:10坪(客席エリアのみ)
客席数:20席(最大30席)
スタッフ:2名

 

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